チャバシカケ

〜茶箱ベンチプロジェクト〜

チャバコシカケは、茶箱が陳列されたかつての清水港の景観を再現しながら、休める場所が少なかった清水を「お茶を飲みながら歩いて楽しめる場所」に変えたい!という思いで発足しました。茶箱というモチーフを加えることにより、​明治開国期の茶箱が陳列された港の景観を再現しながら、静岡ならではのオクシズ材(奥静岡の木材)や蘭字、清水次郎長などの要素を取り込むことで、人々が静岡市の山間部と港湾部および海外とのつながりや、静岡市の多様な魅力ある側面を体感できるようなベンチ作りを目指しています。

写真は明治開国期の、茶箱の重なる清水港のようす

フェルケール美術館『 蘭字 -日本の輸出茶ラベル- 』(2017.7)より

What is「チャバシカケ」 

​ 茶箱ベンチプロジェクトは、新しく「チャバコシカケ」という独自の名前を制定しました。「茶箱ベンチプロジェクト」という名称は少々一般的すぎるため、今後のベンチの運用や広報を考えた際、プロジェクトの象徴となるロゴや方針は必須だろうと考えたためです。以下、名称やロゴに込めた思いを書いていきます。

​# プロジェクト名に込めた意味

  「チャバシカケ」という名前には、「茶箱」「腰掛け」「仕掛け」という言葉が含まれています。茶箱を素材とした腰掛け(=椅子)を用いて、積極的に清水を活性化させる仕掛けを作りたいという思いを込めました。シンプルでバランスのよいカタカナ表記を用いたほか、真ん中の「コ」を清水をイメージした水色に変え、掛詞を強調しています。

​ なお、活動コンセプトをより具体的に表すキャッチコピーも作成予定です(現在考案中)。

​# ロゴに込めた意味

​①「茶箱」の文字の角字体

 そもそも角字とは、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字が表現される、江戸時代に誕生した字体のことを言います。角字の正方形のシルエットが茶箱を連想させるほか、形の制限からさまざまな表現を駆使し、モダンな雰囲気を兼ね備えるこの字体は、ベンチという小さな空間に思いを馳せ、蘭字や茶箱などの伝統的な要素を用いて新しいものを生み出すというチャバコシカケのコンセプトに合致すると考えました。

​② 円の二重線

 ​この二重線には、蘭字ラベルによく見られる二重枠のエッセンスを入れ込んでいます。

​目標・目的

私たちがこの活動を始めるにあたり、達成したい目標は以下の3つです。

茶箱や蘭字をモチーフにしたベンチの設置で、お茶による人々の交​流と、憩いの場の創出を目指す。

​2

茶箱が積まれていた景観を再現し、文化・歴史的側面での「清水港​らしさ」を創出する。

​3

次郎長やオクシズ材という要素を組み入れることで、静岡の魅力あ​る素材や人々のつながりを生み出す。

それを踏まえ、デザインはこのような形で考えています。

中央部=2段目にものを置けるような空間を作ることで、​そこにお茶を置いて会話を楽しむことができるようにし、人々のつながりの​促進に貢献する。

茶箱を積んで2段構成とすることで、清水港が国際貿易港として名​をはせた時期を象徴する、茶箱が積荷として陳列されていた景観を​再現する。

各々の主体の特性を反映した蘭字を大学連携チーム​で作成し、茶箱にも貼り付けることで、蘭字の魅力を伝える。将来的には、協賛を​通じて清水の事業のPRにもつなげる

IMG_5125.jpg
IMG_5035.JPG
​茶箱ベンチのデザイン案
貼り付ける蘭字ラベルのイメージ

​茶箱ベンチの構成要素

​1

​茶 箱

​2

​オクシズ材

​まずはベンチの材料である茶箱から。茶箱は茶貿易で利用された木箱の総称で、段ボール・プラスチックが普及する1950年代まで利用されていました。主にスギが原料で、湿気や乾燥を防ぎやすく、蓋枠を受ける枠を身のふちよりもやや下げて取り付けてあるためにがたがたしにくく気密性も高いのが特徴です。清水港湾部において茶箱が積み荷として陳列されていた景観は、清水の魅力の1つと言え、このプロジェクトでも再現はコンセプトの1つとなっています。現在では海外でも好まれており、「日本らしい」エレメントとして人気があるようです。

森林が豊かで、木材産業の歴史と伝統がある静岡市では、中山間地域の資源を活用した産業の振興をねらって静岡市産の木材を「オクシズ材」としてブランド化しており、中山間地域の資源を活用した産業の振興を目指しています。茶箱ベンチプロジェクトでも、地元産の木材であるオクシズ材を利用することによって、静岡市の多様な魅力ある側面の発信を目指しています。

​3

​蘭 字

蘭字とは、日本伝統の浮世絵・木版画の技法が用いられた、海外輸出用茶の商標(ラベル)です。蘭字は外国商館により監修されていたため、外国人が表象した日本らしさとも捉えられます。今後は、私達も蘭字についての価値づけや、先行研究の整理を学術的に行っていきます。

今年作成した次郎長茶の蘭字ラベルは、蘭字の特徴を反映しつつ、テーマであった清水次郎長について私たちなりに研究し、時代劇や浪曲の十八番として親しまれてきた人間味ある街道の親分の味と、清水港が茶の輸出等ができる国際港となる基盤を築いた偉人の側面の両面を感じられるものを目指して作成しました。今後は茶箱ベンチPJに協賛いただいた個人・団体の皆様をモチーフとした蘭字を、蘭字の特徴を反映しつつ、徹底したリサーチに基づいた皆様の魅力を最大限伝えられる蘭字の作成を目指します。

​蘭字の写真は、横浜開港資料館HPより

​今後の活動と将来的展望

次郎長茶では、清水に貢献した次郎長の後半生にフォーカスしてきました。今後は彼の持つ人間味にも注目し、最終的には海外の人々へも魅力を発信して清水港湾部の発展に貢献したいと思っています。また次郎長以外にも、地元団体の歴史や文化を反映したオリジナルの蘭字ラベルを作成することで、ラベルを通した地域発展の促進を目指します。

みなとまちプロジェクト  

​The Port City Project

  • Twitter
  • Instagram

これまでにおける連携・協力・関係者:横浜国立大学、常葉大学、東京大学、九州大学、茨城大学、静岡理工科大学、静岡市経済局海洋文化都市推進本部、静岡県清水港管理局、ぬくもり園、次郎長と港を活かした清水活性化協議会、次郎長通り商店街、株式会社 鈴与、株式会社 ボクラノマチ、株式会社 Otono、ヤマハ発動機株式会社、静岡県立大学 岸昭雄研究室、横浜国立大学 モビリティデザインの実践PJ​​

© 2021 みなとまちプロジェクト